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(掲載日:2006年8月2日)
 自然が多い場所で育ちました。空を見上げては、吹雪の後の金星の輝きや夕焼けの美しさに目を奪われ、海を眺めては、凪の穏やかな海と嵐の猛り狂う荒い海の2つの相の神秘さに畏敬の念を抱きました。
小学校のころはテレビばかり観ていました。高校生向けの学習番組もずいぶん観ました。いろいろな知識をこうした番組を通して得ることができたと思います。
自分は8人兄姉の末っ子でした。そのせいか、つねに親や兄たちの後ろに隠れていて、人前で自分の意見を言うことができませんでした。そんな折、小5の時の担任の先生との出会いが自分を変えたのです。短大を卒業したばかりのフレッシュな先生でしたが、個人の特徴を見抜いていて、音楽も合唱で歌うなど楽しい手法でいろいろなことをさせるのです。そのおかげか、徐々に自信がわいてきて人前に出るのも平気になってきました。
年を経て、NASA(米航空宇宙局)での訓練でふたたび同じ経験をすることになります。NASAの訓練はモニターで逐一監視されています。些細な失敗も当然監視側にはお見通し。最初はもちろん失敗を恥じました。とはいえ、失敗の連続でした。NASAでの8年におよぶ訓練で、じきに自分の弱みに対する差恥心を超えることができました。訓練で失敗しておけば、本番で致命的な失敗を避けることができるのですから。
実験が大好きだったので、(大学では)化学を学ぶことにしたのです。化学の醍醐味は結果が条件によって微妙に変化すること。実験で扱う溶液も自然です。様々な色を呈する溶液は楽しいですね。ちょっとした条件、たとえば配合比や温度などで異なった化学反応が起こり、ひいては溶液の色が変わってしまうのは化学の魅力です。この化学を通じて、何にでも通用する基礎を学んだし、多くの境界領域との接点も持てました。
私は現在も宇宙飛行士であると同時に、多くの自然および社会現象に好奇心を持つ研究者でありたいと願っています。
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