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科学者になる方法
第一線で活躍する研究者に「科学者になりたい」と思ったきっかけ、体験などを話してもらいました。
第17回 東京大学 先端科学技術研究センター 特任教授 中小路 久美代 氏
余命3カ月と宣告されても研究生活を
研究の道に入ったきっかけをよく聞かれるのですが、小さい頃から憧れていたというよりは、いつの間にか入っていたというのが正直なところです。積極的に入ったわけではない研究の道ですが、現在は研究が大好きです。お給料をもらいながら自分のわかることが増えていくなんて、すばらしいじゃないですか。
国内外の優秀な人とディスカッションすることはとっても刺激になりますし、自分が成長していくのがわかります。能力の高い人同士が集まれば、一人で何かをするよりも、もっともっとすごいことができると思うんです。
そういった環境や地位に現在の自分がいることをとてもうれしく思います。たとえ医者から余命3カ月と宣告されたとしても、今の生活を変えることはないと思います。
人間は、ものごとを考えたりつくったりする時、何も頭の中だけで考えているわけではありません。たとえば、研究テーマを練ったり、商品企画をしたり、部屋の模様替えを考えたり、また夕飯のニューを考える、といった、モノをつくる、デザインする、という作業においては、メモをとったり、絵を書いてみたり、新聞の記事を探したり、実際に家具を動かしてみたりして、外界の情報をうまく利用しています。
また、一人で考えるよりも、誰かに相談したほうがいいアイデアが浮かぶ場合が多くあります。その分野の専門家に意見をもらうのはもちろんのこと、専門家でない人たち、たとえばたまたま遊びに来た小学生の甥や、おばあちゃんに説明することで、今まで考えつかなかった側面が自分の中で浮かんできたりします。
私の研究で目指しているのは、このように人聞がものごとを考えたりつくったりする際の思考を支援できるようなソフトウエアをつくることです。
人聞が新しいことを思いつけるような、代替するでも補完するだけでもない、人間の思考をトリガー(誘発)してくれる新しいインタラクション(相互作用)の形態を提供するシステムの構築を目指しています。
「科学者になる方法−第一線の研究者が語る」
(東京書籍)から転載
中小路 久美代 氏の研究について:
大阪大学基礎工学部卒、米コロラド大で博士号取得、(株)SRA、奈良先端科学技術大学大学院助教授を経て現職。人間の知的活動をサポートする新しい情報処理システム、特に複数の人間の協調的な創造的思考を支援するシステム構築が研究テーマ。
研究概要と成果
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