日本の東方海域と、その周辺のアラスカからカリフォルニア沿岸、赤道太平洋域の海面水温が10-20年規模でシーソーのように変動する現象「太平洋10年規模振動(PDO)」を再現することに国立環境研究所などの研究グループが成功した。
地球温暖化をより正確に予測、検証するにはこうした比較的短い期間の変動も織り込む必要があることから、研究成果は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の次の(第5次)報告書作成作業にも大きく貢献すると研究グループは言っている。
「太平洋10年規模振動(PDO)」があること自体はこれまでの観測結果から分かっていた。東京大学気候システム研究センター、海洋研究開発機構、国立環境研究所の研究グループは10年規模の気候変動を予測するシステムを開発、スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」上で気候予測実験を行いPODの再現を可能にした。
この成果を用いることで2030年ごろまでの地球温暖化傾向のゆらぎ(海水温や気温変動)やその地域的な違いに対する予測性能が向上する。2005年時点で再現した06-08年の大気、海洋の状態は観測値と一致することが確かめられた。日本付近は高温化しているが、赤道太平洋域は低温化しているため、地球平均気温は押し下げられる。このため長期的な地球温暖化傾向は変わりないものの、2012-13年ごろまでは地球平均気温の上昇が一時的に緩やかな状況が続く可能性が高い、と研究グループは予測している。
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