死んだがん細胞を食べて、がんに対する免疫機能も向上させる新しいマクロファージ(大食細胞)を、理化学研究所免疫・アレルギー科学総合アレルギーセンター自然免疫研究チームの田中正人・チームリーダー、浅野謙一研究員らが発見した。このマクロファージの働きを強めることで、がん免疫を誘導する新しい治療法につながる可能性がある、と理化学研究所は言っている。
田中チームリーダーらが見つけたマクロファージ(CD169陽性マクロファージ)は、リンパ節の表面付近のリンパ流が流れ込む場所にわずかに存在している。マウスを使った実験で、CD169陽性マクロファージが、死んだがん細胞をリンパ節の入り口で待ち構え効率よく食べてしまい、さらにがん細胞を直接攻撃する細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)にがん細胞の情報を伝え、がん細胞を殺すよう指令を出していることも分かった。
放射線照射などによってがん細胞を殺すと、死んだがん細胞を認識してがんに対する免疫力が強まることが知られていた。この現象を利用した治療法も試みられている。また、マクロファージが死んだ細胞を食べるだけでなく、免疫にかかわる抗原提示と呼ばれる働きを持つことも分かっていた。しかし、なぜがん免疫を誘導するのか具体的なメカニズムは解明されていなかった。
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