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ホーム > ニュース > 日経サイエンス誌ダイジェスト > 2008年8月28日「私たちはどんな道をたどってきたか」

日経サイエンス誌ダイジェスト

「サイエンティフィック・アメリカン」の日本版科学誌、「日経サイエンス」最新号の主要記事ダイジェストです。

【 私たちはどんな道をたどってきたか 】

掲載日:2008年8月28日

日経サイエンス10月号 自己組織化する量子宇宙
人類は民族の違いによって肌の色も鼻の高さも顔つきも異なる。ヒトとチンパンジーのDNAの違いは1〜2%程度といわれるが、ヒトどうしでも0.1%程度の個人差がある。この0.1%の違いに、世界の各民族がたどってきた長い旅路の記憶が刻み込まれている。

例えば、この記事を読んでいるあなたが日本人なら、そのDNAには、人類の祖先がアフリカを出発し、アジア大陸を横断して日本列島に至るまでの旅の記録が記されている。中米マヤ文明の末えいの人々のDNAを調べれば、氷河期に陸続きだったベーリング海峡を渡り、北米大陸を南下してきた歴史が刻まれている。今、このような遺伝的な多様性から、現生人類が世界中にどのように広がっていったかを解読しようとする研究が進んでいる。

私たち人類の起源については「出アフリカ説」と「多地域進化説」という対立する2説があった。出アフリカ説は、アフリカで生まれた現生人類が世界各地に移住し、すでに各地に住んでいたホモ・エレクトスなどの先行人類に取って代わったという説。多地域進化説は、アフリカのほかアジアやヨーロッパにいた先行人類が、それぞれの地で独自に現生人類へと進化したという説だ。DNA研究の成果は出アフリカ説に軍配を上げた。

これまでの研究はヒトゲノムの一部だけを比較したものだったが、現在はゲノム全体を対象とした比較研究が始まっている。現生人類と先行人類、例えばネアンデルタール人との混血はあったか否か、人類が各地に移住してから環境変化に対してどのように進化したかなどが明らかになる可能性がある。今後、気候変動で民族移動が起きれば、それもDNAに刻まれることになるかもしれない。

 


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